高次脳機能障害とは
高次脳機能障害ってなに?
- 記憶障害
- 注意障害
- 遂行障害
- 病職欠落
- 社会的行動障害
具体的な症状は?
記憶障害:
- 物の置き場所を忘れ、新しいできごとを覚えられなくなること。
- そのために何度も同じことを繰り返し質問したりする。
注意障害:
- ぼんやりしていて、何かをするとミスばかりする。
- 二つのことを同時にしようとすると混乱する。
遂行機能障害:
- 自分で計画を立ててにものごとを実行することができない。
- 人に指示してもらわないと何もできない。
- いきあたりばったりの行動をする。
病識欠落:
- 自分が障がいを持っていることに対する認識がうまくできない。
- 障がいがないかのようにふるまったり、言ったりする。
社会的行動障害:
- すぐ他人を頼る。
- 子供っぽくなる(依存・退行)。
- 無制限に食べたり、お金を使ったりする(欲求コントロール低下)。
- すぐ怒ったり笑ったりする。
- 感情を爆発させる(感情コントロール低下)。
- 相手の立場や気持ちを思いやることができず、良い人間関係が作れない(対人技能拙劣)。
- 一つのことにこだわって他のことができない(固執性)。
- 意欲の低下・抗うつ・・・など。
どんな時に発症する?
- 頭部外傷:硬膜外血腫・硬膜下血腫・脳挫傷・脳内出血・び慢性軸索損傷
- 脳血管障害:脳内出血・脳梗塞・クモ膜下出血・もやもや病
- 感染症:脳炎・エイズ脳症
- 自己免疫疾患:全身性エリテマトーデス・神経ベーチェット病
- 中毒疾患:アルコール中毒・一酸化炭素中毒・薬物中毒
- その他:多発性硬化症・正常圧水頭症・ビタミン欠乏症・脳腫瘍
事故などによる脳外傷や脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった脳血管障害・低酸素脳症で脳が損傷し、怒りっぽくなったり、物覚えが悪くなったり、何かにこだわりすぎるなど、今までになかった症状(言語・思考・記憶・行為・学習・注意)が現れる事があります。
これを高次脳機能障害といいます。
この障がいの問題は外見からは解りにくく、どこまでが正常でどこまでが異常かの判断が困難な事です。
障がいがもともとの性格かの境界は脳が損傷したかどうかにあります。
すなわち、脳の障がいが原因で、周囲からの知覚入力に対して、適切な認識や行動表現が出来なくなった状態のことです。
どんな支援が必要?
☆ある日突然、交通事故などで家族が意識不明の重体となったら?
☆退院したけれど「何かが変だ!」どうしたらいいの?
高次脳機能障害は、現在の障がい福祉制度上での適切な対応が得られないという側面を持った障がいでもあります。
まさに医療と福祉のはざまにおかれた「見えない障がい」又は「隠れた障がい」です。
支援が受けられない。
医療や福祉の分野でまだ理解が広まっていないため支援の実態が把握しづらく、支援の方法が普及していないなどまだまだ課題はたくさんあります。当事者家族が声を上げていくことで理解され、課題解決に結びつくものと思っています。
支援の方法
受傷(発症)から社会参加まで
医療リハ(入院)→医療リハ(通院)→生活訓練→職業(準備)訓練
社会参加→社会復帰
高次脳機能障害の症状は、環境や条件によって現れ方が異なるといわれています。
個々障がいに対する対応はそれぞれ異なりますが、対応の基本的な考え方は、周囲がこの障がいと対応の基本(追い詰めない・代替手段を身に着ける・単純な環境を作る・要件はひとつずつ・言葉だけにたよらない)を知り適切な対応に心がけることが大切です。
(徳島県社会福祉士会・徳島県医療ソーシャルワーカー協会からも支援をいただけることになっていますので、解らないこと、聞きたいことは家族会にご相談ください。)