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令和6年6月度 定例会 小林春彦さんの講演会に参加して

平素は当会の活動にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。

6月15日(土)13:30よりシビックセンター4Fさくらホールで18歳のビッグバン見えない障害を抱えて生きることの著者である小林春彦さんの講演会に参加しました

障がいを持っている方、高校の先生とその生徒さんたち、一般の方また家族会の会員など50名ほどの参加がありました

講演は障がいとは何かというテーマで小林さんの高度な障がいに対するとらえ方に終始圧倒され、話の途中で意見を求められドキドキ感もあったり、健常者の困難としての日常を気づかされたりと今まで聞いてきた講演と一味違う内容で小林さんの頭の良さをすごく感じました

 

印象に残ったところを列記します

 

*当事者不在の支援現場

家族の会とか専門的人たちの会とか当事者不在の支援現場になっていて支援者の会になっている

東京大学のバリアフリー支援室にいた時の話で

右腕のない障がい者に対して大学の諸先生方が半年かけて自動で飲めるビールジョッキを考案したところその障がい者はすでにストロー1本で解決していた

支援を特別のものと考えずに身の回りや近くに支援できるものがある

 

*困難と障がいの話では

健常者の困難として左利きの人が電車の改札で右利き用にできている切符入れる場所や自販機のコイン入れの場所など左利きの人には困難である

本屋で立ち読みしても立って読んでいる人は足がつかれるが車椅子の障がい者は疲れないまた荷物は楽に運べる

 

*やさしさと公平

日本のテーマパークでは車椅子の障がい者とその介護者は入場料の割引があり入場も優先される

アメリカのテーマパークで車いすの夫と妊婦の奥さんの場合入場料は車いすの夫は全額、妊婦の奥さんは無料である

なぜなら車椅子の夫はスタッフの介助によりジェットコースターにも乗れるし手厚い手助けが可能であるが妊婦の奥さんは乗れる遊具に制限がある

テーマパークはお客さんに楽しんでもらうことの対価として入場料を取っている

障がい者に対する接し方について、日本のやさしさだけでは合理的な理由にならずアメリカに見る障がい者も健常者も公平であるかということ

 

*自立への道

依存先を増やすということ

ビルの中で地震にあったとき健常者は階段、窓、エレベータなど選択肢がいくつもあるが障がい者はエレベータしか選べない停電すればアウトである(依存先が一つ)

人に頼る 家族、地域、友達など 頼る先を増やす ストレスの発散方法を持つなど依存先を増やすことが大事

自立の反対は依存先が限られていて依存ができない状態であり

依存ができない状態が障がいである

何でも自分でできるようにするというのは孤立への道となる

 

講演の一部を列記しましたが体験談を含め具体例が的確ですごく理解しやすかったです

高次脳機能障がいを持ちながら堂々とした話しぶりであり2時間を超えた公演中不自由な足で立ったまままたあちこち歩いたりしてすごいエネルギーを感じました

障がいについて広く皆さんに理解をしてもらうという使命感を感じられこれからも応援したいと思いました

 

講演の後の座談会では大変疲れたと言われていました この後三田までバスで帰られるそうで本当にご苦労さまでしたそして本当にありがとうございました